歩行メカニズム
歩行メカニズムは私のテーマでもありいろいろ調べています。
PT系の書籍を世界的に見てみるのですがほぼ下肢の事は語られてますが体幹を含めた詳細なものは殆どありません。
臨床におけるオステオパシーの原則にこのように歩行に関してさらっと書かれています。
右足を前に出して体を前方へ動かす際、右足を上げてバランスを保つため上体の重量は左へ移動する。正中線から左への重心移動は腰椎の左側屈/右回旋運動を伴う。また垂直重心の左移動は仙骨の左上極を腰仙連結で固定し、腰椎の左側屈は左斜軸での仙骨回旋を起こす。腰椎は中立位の部分的屈曲位にあるので、仙骨の回旋は左斜軸で左方向へ起こる。腰椎は右へ回旋し仙骨は左へ回旋していることに注意する。
体の重心が前へ動き始め、右大腿四頭筋が右大腿を上げて足を前に動かすために収縮し始めると、左斜軸下端が仙骨下横軸と交わる点に緊張が集まる。(仙骨左斜軸の下極は下後腸骨棘PSISの近く、仙骨の右側にあることを思い出すように。) 下横軸で、右寛骨の小さな前方回旋がある。右踵が地面に着き左脚が身体を前方に押し出す時、右寛骨の前方への動きは少し増える。今、重心は前にあるが右脚が地面にしっかり接触してハムストリング筋の緊張が増えると、右大腿骨による支えの上で重心は右に移動し始める。右ハムストリングスの収縮で生まれる引く力は、仙骨の下横軸で、右寛骨の小さな後方回旋を起こす。この腸骨の動きは恥骨結合の横軸での小さな回旋によって影響され、方向付けされそして安定させられる。Dr.ミッチェル(Dr.Milchell)は次のように述べている
:“骨盤運動の全体的観点から、恥骨の横軸は骨盤全体の回旋の姿勢軸と考えられよう。”
重心位置は右大腿を通る垂線から仙骨右端を通る垂線へ移り始める。重心が右へ移り左足が上げられるようになると、腰椎は右側屈(Sr)、左回旋(Rl) する。左足が前に動いて右足を追い越すと、仙腸関節の右上極は固定され仙骨運動の機能的右斜軸が確立される。左側でも同様の骨盤運動は繰り返される。この場合、右踵が地面に着地した瞬間から垂直重心の移動、脊住の側屈と回旋および仙骨と骨盤の回旋が逆方向に始まる。
(P314から引用)
赤字は誤訳だと思われるので修正した
この内容、実は学生から私のところにかなり質問が多い。
だが私自身この考え方信用していないので、違うと思うと話している。
基本的にミッチェルJrの考え方を支持していて上記の考え方はミッチェルシニアの時代の考え方であって、後にミッチェルJrは大幅にこの考え方を修正している。
まず
・立脚側の上棘が固定?
SIJOを横切って収縮する筋肉は存在しないので、荷重での固定なんだろうけど、そもそもSIJOを覆う靭帯は初めから強固に作られていてそれが固定的な要素として働くのか疑問。
・立脚側への重心移動時にわざわざ体が触れる外側に向かって腰椎が側屈するのだろうか?むしろ中心に保とうと立脚側が腰椎カーブの凸になるように側屈するんじゃないかと思う。立脚中期に向けて起こってくる同側の股関節の内転もあることだし。
・遊脚側の斜軸の下棘へ緊張があつまると書いてあるが立脚してる側のほうが遥かに梨状筋の収縮が感じられる。
斜軸形成の考え方も腰椎カーブも全く納得が出来ない内容だ。
ミッチェルJrの修正された考え方はThe Muscle Energy Manual Vol.3のP41から書かれているヒールコンタクトからの同側の梨状筋の収縮が斜軸の下を固定して、反対側の足が遊脚中の地面に接触しないように反対側の腰方形筋の求心性収縮から真ん中超えると遠心性収縮になることが筋電図でも紹介されてる。
臨床におけるオステオパシーの原則とは全く逆の仙骨運動である。
過去インターン生やOBと右梨状筋と左腰方形筋に、アスリート用のEMSのCONPEXを使って電気刺激を加えたところ、はっきりと仙骨底の触診でLonLの動きが触診できた。
マーカーつけて歩行を観察してみた。
立脚側は地面に接しているので反重力がかかっているが遊脚側は反重力の突き上げがないので寛骨は少し下がる立脚側の中殿筋で下降を制御しているが全体では、立脚側への腰痛のゆるいカーブ凸となるのではと思える。
立脚側に腰椎の回旋が起きているように見えるのでTYPE1の動きと考えるとやはり遊脚側にカーブの凹みが出来ると思える(右立脚なら左側屈右回旋グループ)
腰方形筋と梨状筋にワイヤー筋電さして歩行データを取ってみたい
すべての腰椎棘突起に画鋲も刺した状態で歩行も観察してみたい
まあ倫理的に無理な実験かも 笑